バドライトは競合他社に奪われた売り上げを完全に取り戻すことはないかもしれない。だからといって、ベルギーのビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)とその株価が騒動からいつまでも立ち直れないわけではない。世界のビール販売量のおよそ4分の1を占めるABインベブが3日に発表した4-6月期(第2四半期)決算は、バドライトの販売が落ち込む中でも驚くほど好調だった。売上高は前年同期比7.2%増と、ビジブル・アルファがまとめたコンセンサス予想(4.1%増)を大幅に上回った。トランスジェンダーのインフルエンサーとのコラボが発端となったバドライト論争が4月から米国で過熱する中、投資家はABインベブがどれほど巨大でグローバルな企業であるかを忘れていたようだ。同社の株価は3月末から5月後半までに約20%下落したものの、その後やや持ち直し、3日は1.3%高で終えた。