2020年米大統領選の結果を覆そうとしたとして起訴されたドナルド・トランプ氏は3日、首都ワシントンの連邦地裁に出廷し、無罪を主張した。米大統領経験者で24年大統領選の候補者でもある人物が裁判にかけられるという光景に世界中のメディアが注目した。裁判は今後何カ月間も続く見込みだが、政治的に注目しておくべきなのは、この光景こそ民主党が有権者の注目を集めたいと考えているものであるという点だ。毎日、一日中、トランプ氏に注目していてもらいたいのだ。メディアがトランプ氏の法廷ドラマにかかりきりになればなるほど、ジョー・バイデン大統領の能力の低下や、バイデン氏が推進した家族のビジネスに関して明らかになった事実への国民の関心は、一段と弱まるだろう。トランプ氏の起訴により、バイデン氏の実績や次期大統領の4年間に関する議論よりも、トランプ氏の抱える問題にすべての人々の関心が集まっている。