株式・債券市場のインフレ統計への反応が従来よりはるかに大きくなっている。投資家が米連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の見極めに苦心している表れだ。ゴールドマン・サックスのシニア米国エコノミスト、スペンサー・ヒル氏によると、国債利回りと株価指数先物はここ1年、インフレ統計が予想と異なった場合の反応が通常より大きくなっている。ヒル氏は、統計発表前後の数分間の市場の動きを1年前までさかのぼって調査。インフレ統計に対する株式市場の感応度は、過去の標準の12倍に上昇していることが分かった。また、インフレ・賃金統計に対する国債市場の感応度は、過去の中央値の7倍余りに達していた。ジェローム・パウエルFRB議長は追加利上げについて、今後のデータを基に判断すると言明している。