昨年高騰した原油価格は米国のインフレ率を40年来の高水準に押し上げた。そのトレンドは今年逆転したが、それもごく最近までのことだ。指標となる原油価格はこの6週間で21%上昇し、通勤や貨物輸送の費用、プラスチックや肥料から衣服に至るまでの生産コストを押し上げている。原油価格の上昇はインフレを下支えする恐れがある。投資家たちはこれまで、物価上昇圧力が緩和されたことを受け、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げキャンペーンをまもなく終了することに賭けていた。FRBが重視するインフレ指標では、変動しやすい食品とエネルギーのコストは除外されているが、石油価格の上昇は経済の隅々までのコストを間接的に引き上げると多くの人が警告している。