「なんでいつも自分ばかりが我慢しているんだろう…」。イライラして眠れない、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。心理学的なアプローチによって、不安や不満などの不快な感情を消し、読むだけで眠くなるメソッドを多数紹介。眠れるようになるだけでなく、ストレスを根本から消してくれる「不思議な催眠効果」がある1冊だ。「2ページ読んだだけで眠れた」「ストレスが消えた」「自己肯定感が高まった」などの感想が多数寄せられている。今回は発売を記念して、本書から特別に一部抜粋、再編集して紹介する。
不幸な夢を想像したり、想像した夢をつまらないと思ってしまったりする場合は、ピンとくるものが出るまで次々に想像してみる。「自分が本当に求めていたもの」が見つかると、スッと眠りに落ちる。
この方法は「いつも自分ばかりが我慢している」「言いたいことがあっても、相手に思いがうまく伝わらない」など、周囲に気を使って日常的にストレスをためてしまいがちな人によく効く。
寝ている間に「アサーティブネス(自己表現や自己主張)」な能力も身について、日常的なコミュニケーションがスムーズになる。
ワンオペ状態でイライラが止まらない……
ある女性は、同僚や部下に仕事を頼んでも、自分のやってほしい通りにならないので、いつも自分ひとりで仕事を抱えていました。
すると周りの人たちは、その女性にどんどん仕事を押しつけて仕事をサボるようになりました。
そんな状況を上司に伝えても、「まあ、あなたがなんとかしてよ!」という感じで、ちっともこちらの大変さがわかってもらえなかったのです。
家では、子どもたちは自由気ままに過ごしているので、忙しい朝でもダラダラしてなかなか保育園に行く準備をしてくれません。夫は早朝に家を出てワンオペ状態。忙しさからついイライラして、「早くしなさい!」と怒鳴ってしまいます。
怒鳴ったら、子どもたちは泣いてグズって、登園時間がどんどん迫ってくるのがわかっているのに、イライラを止められません。
日々の忙しさから眠る前までイライラが止まらず、なかなか寝つけない日々を過ごしていました。
そんな女性が「幸せな夢をデザインする方法」を使ってみることにしました。
「私は本当はどんなことをしたいんだろう?」
寝る前に自分の見たい夢をイメージする「幸せな夢をデザインする方法」。
実際にやってみると、夢だから自由にデザインできるはずなのに、「ゾンビに追いかけられる夢」や「同僚と口喧嘩をして相手に謝罪させる夢」などが勝手にデザインされてしまいます。
ピンとこなければ、しっくりくる夢が出てくるまで探していけばいいとのことなので、「ちがうんだよな~」とクシャクシャと丸めて捨てていきます。
そして、新たに夢のデザインをしていると、「仕事で上司から認められて昇進する夢」も出てきますが、それもしっくりこず、丸めて捨ててしまいます。
すると、夫と二人で高い山を登っている夢が思い浮かんできます。
標高が高い山で周りには雪があるのに、夢の中だから防寒や登山の装備がいっさい必要ありません。お気に入りのTシャツと短パンを着て、二人で楽しそうに山のふもとの街を眺めている夢。
もっと上からの風景を眺めたくなり、二人で軽快に山を登っていく夢をデザインしたとたん、心地よい眠りの中に落ちていきました。
力まなくても、自然に思いが伝わる
朝起きたときに、比較的気分がスッキリしていて、「あれ? 気分の重さが軽減しているかも」と不思議な気分。
いつもだったら余裕がなく、子どもたちにイライラするのに、保育園に行く直前までほうっておくことができて、しかもちゃんと時間に間に合っています。
通勤中に、苦手な職場の人のことを思い出してしまい、気分が重くなったのですが、実際に顔を合わせてみると、やりとりもスムーズで少し元気が出てきます。
仕事を終えて、子どもたちの食事をすませて寝かしつけると、「今日はどんな夢をデザインしようかな?」と布団に入るのが楽しみになってきます。
前回の夢の続きでもいいし、さらに空を飛べる夢だっていい。いくつか夢をデザインして丸めて捨てているうちに、いつの間にか心地よい眠りに落ちていく。
それをくり返していたら、子どもが自分たちでちゃんと保育園に行く用意をしてグズらなくなっていて、ちょっとびっくりします。
職場でも、同僚や部下に仕事を気軽に振り分けられるようになり、上司にもそのチェックをお願いできるようになります。
「ちょっとラクに仕事ができるようになったかも」とうれしくなります。
「これってもしかしてアサーティブネスができるようになったから、ちゃんと相手に自分が求めていることが伝わるようになったの?」と思ったのですが、意識して頼み方を変えたりはしていないので、不思議な感じです。
自己主張をしているつもりはなく、自然体で「これお願い!」と渡しているだけなのに以前と何がちがうんだろう?
そういえば、子どもたちも細かく指示していないのに勝手に動いてくれています。
私が求めていることを力んで相手に伝える必要がなくて、自然と伝わるのがアサーティブネスなのかもしれない。
訓練の効果が出ているのがうれしくなって、さらに夢をデザインしたくなっていたのです。
(*本稿は『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』より一部抜粋、再編集したものです)