居住性は及第点。後席で新旧PHEVを乗り比べてみたところ、車高の低い新型は、さすがにヒール段差がだいぶ小さくなるものの、ヘッドクリアランスは同等だった。前席下への足入れ性もさほど問題ない。シートもクッション厚みが適度に確保され、しばらく座っていてもお尻が痛くなることはない。いろいろ配慮されている。
PHEVのラゲッジスペース床面はHEVよりも少し高くなっている。だが、これだけスペースがあれば実用上は問題ないだろう。リアシートを前倒しするとPHEVはフロアと段差なくつながる。外部給電機能が、標準装備されている点もうれしい。
新型は“速さと洗練”という
わかりやすい魅力を身につけた
インフォテインメント系も多彩な機能を満載している。そういえば、従来型の特徴のひとつだった縦長のディスプレイは踏襲されていない。眼前のメーターパネルはちょうどステアリングホイールと重なる。これは少々気になった。
プリウスPHEVは新型で第3世代。これまでは、せっかく設定があってもHEVで十分と感じた人が多数派だった。だが新型は最新PHEVらしく、“速さと洗練”というわかりやすい魅力を身につけた。時代も変化しPHEVに関心を持つ人は増えている。価格差は大きいものの、クルマ自体が“愛車”として魅力的に進化したからこそ、新型はPHEVの販売比率が高まりそうな気がする。今まで輸入車に乗っていた人にとっても魅力的な存在である。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)