高級皮革製品・アクセサリーの「コーチ」を傘下に持つ米タペストリーは、高級ブランド「マイケル・コース」「ジミーチュウ」「ヴェルサーチェ」を展開する米カプリ・ホールディングスを買収する方向で交渉を進めている。実現すれば、高級ブランド業界では数年ぶりの大型合併となる。事情に詳しい複数の関係者によると、この買収は数カ月前から検討されており、土壇場で問題が生じなければ早ければ10日にも発表される可能性がある。時価総額はカプリが40億ドルで、タペストリーは100億ドル程度となっている。カプリとタペストリーは、仏高級ブランドグループのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンや、「グッチ」などのブランドを擁する仏高級ブランド大手ケリングに対抗するためファッションブランドの買収を進めているが、欧州の巨大企業である両社にはまだ及ばない。ケリングは7月、イタリアの同業ヴァレンティノの株式取得を発表し、また一つ大きなファッションブランドを傘下に収めた。