コロナ禍で続いた陶酔の時期が過ぎ、中国半導体業界の雄が厄介な二日酔いと戦っている。今後は西側による対中半導体規制が立ちはだかるだろう。しかし、中国経済の減速はさらに大きな問題となる可能性がある。ファウンドリー(半導体受託製造)中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)は他の国内大手と同様、苦境にあえいでいる。10日発表した4-6月期(第2四半期)決算では売上高が前年同期比で18%減少したことが明らかになった。利益の落ち込みはさらに大きく、営業利益は85%減少した。売上高は1-3月期(第1四半期)と比べると若干改善したが、それでも2022年のピークを下回った。新型コロナウイルス流行による半導体不足の後、SMICの利益率は通常通りに戻った。4-6月期の売上総利益率は20%で、前年同期のほぼ半分だった。SMICは過去2年間の半導体不足で特に大きな恩恵を受けていた。比較的成熟した技術を採用した半導体の不足が特に深刻だったが、それが同社の得意分野であるためだ。