米当局は昨年、化学大手デュポンがサステナブル(持続可能な)素材事業を中国企業に売却する一方で、その背後にある技術は米国から決して流出しないようにするという、不安のある妥協をした。この問題に詳しい関係者によると、この取り決めは計画通りには機能せず、米中間の技術を巡る争いの最前線にある国家安全保障審査プロセスの欠陥を露呈させ、結局は米連邦捜査局(FBI)が捜査することとなった。外国の買い手が関与する、慎重な判断が必要な取引を審査する閣僚級委員会の意見の相違は極めて深く、ジョー・バイデン大統領の介入を求める訴えが失敗に終わるなど、政府の審査は1年以上かかった。最終的に委員が決めた解決策は、わずか数週間で台無しになった。