とにかくモテない防衛大生は恋も専守防衛!「成功したらレジェンド」となる告白とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

SNSで人気の元陸上自衛官・ぱやぱやくん(@paya_paya_kun)は、防衛大学校(防大)を卒業しました。防大卒の自衛官はモテるのでは…?なんて思う人も多いかもしれませんが、現実は甘くありません。現実の防大の大学生の生活は、他の大学生のそれと何が違うのか、恋愛模様はどうなっているのか、『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』(KADOKAWA)より抜粋し編集して、紹介します。(元自衛官 ぱやぱやくん)

防戦一方の防大生の恋愛事情、モテない防大生

 勉強ができて、運動神経も抜群。将来も有望な防大生に対して「モテる」と考える方も多いと思いますが、防大生はとにかくモテません。そもそも「モテる、モテない」の議論をする前に出会いが存在しません。これはトラと素手で戦えるほどの腕を持つ狩人でもあっても、獲物がいない大都会のコンクリートジャングルでは何も捕まえられないのと同じです。

 一般大学であれば、ゼミナール・サークル・バイトなど、異性との出会いの場が多数ありますが、全寮制の防大生にはそうした出会いがほぼ存在しません。女子学生はいますが、淡い恋心は特に抱きません。

 休日に行われる校友会の大会などで、他大チームの女子マネージャーや選手の彼女が「○○くん負けないで!」と甘酸っぱい青春をしているのに対し、防大チームはほぼ男だけ。応援も「死ぬ気で戦え!」「うぉおおぉぉ!」と野太い声を上げるため、他大学の女子学生に嫌な顔をされがちです。

 つまり、防大では青春の華である「甘酸っぱい恋愛」が存在せず、酸っぱい香りのするものは1学年の作業服だけなのです(「おい1年!臭いぞ」とよく言われます)。

 また、防大は全国から学生が集まっているため、中高の同級生との恋愛も難しく、片想いをしていた子が「大学の同級生と付き合った」などと風の噂で聞いて心理的にダメージを受けることも珍しくありません。

 特に1学年のうちは制服外出が義務付けられ、坊主頭でストレスニキビという田舎の中学生のようなスタイルのため、恋愛はほぼ不可能に近いです。さらに、疲れ果てている1学年は、「恋愛」よりも「カツ丼大盛り」などのカロリー摂取、「睡眠」など、生き物としての安らぎを追い求めるようになります。

 中には「高校の同級生と付き合っている」などという学生もいますが、会えないことから大抵は破局することになり、恋愛遍歴はリセットされます。

 高校の同級生が「彼女ができた」「お泊まりデートをした」などと羨ましい報告をする中、防大1学年は必死の形相で床を磨き、作業服のプレス職人として毎日のアイロンがけに魂を込めます。この一般大生との落差が、防大生の魅力と言えるでしょう。