コツコツと業績を伸ばしてきた経営者が直面する「売上の壁」。
特に、年間の売上高が2億円から3億円のレベルに達すると、そこでピタッと成長が止まってしまう経営者が多いという。
そんなときに参考になるのが、【発売から18年、2万人以上の経営者に支持されるバイブル】として、待望の新装版が発売された『新装版 売上2億円の会社を10億円にする方法』だ。
本稿では、上場経験のある経営者から熱烈な推薦を受けている本書の中から、「伸びるリーダーだけが考えていること」を一部抜粋して紹介する。
店舗の機能は「商品を売る」だけではない
私は店舗を「商品を売る場所」としてだけではなく、「社員の商談、プレゼンテーションをサポートする機能を持つ場所」だと考えています。売上10億円を目指す企業にとって、店舗での主役、はもはや社長ではありません。
リフォーム会社であれば、店舗が「施工サンプル」そのものです。当然、入って来たお客様は「ここはこういうリフォームができるのか」と思うわけですから。反対に「このレベルの仕上げしかできないのか」と感じさせてしまったら、それまでです。ですから「さすが」と思っていただける、高いレベルでの空間をつくっています。
リアル店舗を持つ必要がない業種であれば、多くのお客様が最初に訪れるのはホームページなどになります。その出来具合の善し悪しもまた「サンプル」です。
芝居の魅力は「舞台装置」が高めている
けれども私がつくるようにリーダーにアドバイスしているのは、いわゆるショールームや展示場ではありません。一番の軸として考えているのは、そこが商談の場であるということ。商談の場、とは受注する場所でもあります。営業マンがクロージングを行うところです。何もない会議室やお客様のご自宅ではなく、自社の店舗で行うことによって契約率を高めたり、お客様の期待度、満足度を高めたりすることが店舗の役割、と位置付けています。
演劇で言うなら舞台美術だけにとどまらず、大道具、さらには俳優が使う小道具までをカバーして、芝居を一層面白くする役割です。
見るだけではなく体感できるコーナーを設けることで、自社の特長を直接身体で理解してもらうのが目的になります。
過去に、リフォーム業を営むクライアントで成功したのは、炭の効果を実感できるプレゼンテーションコーナーを店内に設けたケースです。電子機器類からは電磁波が出ていたりするのですが、炭にはそれを緩和する効果がある。壁の中、床下に入れて売り出していこうというのが狙いでした。しかし、炭が効くんですよ、なんて営業マンの話だけじゃ全然信用できないだろう……ということで、自社の営業マンに炭の入った袋を用意させておいて、その話のすぐ後に自分の携帯電話を包んでしまう。アンテナのサインが3本立っている状態で、です。
それからお客様の電話をわざと借りて、包んでしまった電話にかけてみる。聞こえてくるのは「今、おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか……」のアナウンス。電話そのものは目の前の袋に入っているのですが、かからない。ほとんど手品みたいですが、そんな演出で炭の効果を体感してもらうとテキメンです。「へえ、知らなかった……炭って電磁波をシャットアウトするんですね」。お客様から言葉が出てきます。