対中グリーンフィールド投資の10年前比の増減率(2022年)
コロナ禍下の混乱で一服していた米中デカップリング(経済分断)の動きが、再び勢いを増している。
中国からの輸入減少が著しいのは米国で、関税戦争の対象品目では「トランプ関税がなかった場合に見込まれた輸入」を4割方下回っている。米国の対中半導体関連輸出も安全保障上の規制導入で、昨年初から半分以上減少した。
米国の輸入に占める中国のシェアは、2016年の22%から22年には16%まで低下した。一方で、日米を除く西側諸国では中国の輸入シェアは横ばいないし上昇しており、貿易面のデカップリングは数字上表れていない。
ただ、ここ数年の西側諸国の中国からの輸入は、コロナ禍におけるサプライチェーンの混乱や医療品の大量輸入などで一時的にかさ上げされてきた。それを除くと、デカップリングの動きは表面的な数字より進んでいる可能性はある。