相変わらず追い出し部屋の記事が目につく。

 ある会社では、クビにしたい社員のポストを外し、

①社内で自分を雇ってくれる部署を自ら探すことを強いる(社内的に価値がないことを自覚させるため)
②梱包など単純作業をさせる(穴を掘っては埋めるなどの作業をさせていた会社も10年ほど前にあったなぁ)
③社内メールなど情報インフラを使えなくする(隔離状態に置いて精神的に追い詰めるのだろう)

 ――などなど。

 勿論、給料を下げ、過酷なノルマを課すことなど当たり前のようだ。

 こんなことをして、もしうつ病などになってしまえば社会的に損失になり、治療というコストがかかる。その意味では、こんなことをしている企業は、社会にも害毒を流していることになる。

 日本企業は、「人は城、人は石垣」といい、終身雇用(今は死語だが)で、米国企業なんかにくらべると人に愛情があり、優しいと言われてきた。

 米国企業は、クビを通告して、直ぐ放りだす。日本人から見ると、なんて冷たいのだろうと思っていたが、追い出し部屋のことを知ると、実は、そっちのほうが本当は人に優しいのかもしれないと思ってしまう。

 日本は、雇用の硬直性が高いため、なかなかクビにできない。雇用の流動性を高めると非正社員ばかりになり、一層、所得格差が拡大し、社会問題化するためだ。正社員を守るために雇用を硬直化させていることが、不況になると正社員を追い詰めることになるとは!皮肉なことだ。