夫婦と子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

「子どもたちを小学校から私立に入れたい、大丈夫だろうか」という夫婦が家計相談にやってきました。夫は月収約65万円、妻は約40万円、結婚前の貯金は2人合わせて3000万円というパワーカップル。何も問題なさそうなのに、家計をよくよく見てみると希望をかなえることは難しそう。FPが太鼓判を押せなかった理由とは……。(家計再生コンサルタント 横山光昭)

パワーカップルの家計相談
条件は良いはずなのに、意外とすんなり話が進まない

 夫婦共働きでいずれも高収入を得ている、いわゆるパワーカップルの家計相談が多くなってきました。多くは資産形成での投資が目的で、自分たちの入金力(収入)を有効活用するご相談なのですが、中にはせっかくの収入を使い切って蓄えがほとんどなかったり、収入以上に支出したがったりする人もいます。

 収入が高くても貯蓄があまりない、身の丈に合わない支出をする、という方は、自分たちの収入を過剰評価している傾向があり、お金の使い方に自信があるという場合も多いようです。悪い意味で自分の軸があるので、自分の考えや、やっていることと違う提案には、抵抗を感じてしまうようです。

 また、全否定ではありませんが、「増やしたい!」と考えて自分たちで調べた結果、貯蓄性の生命保険を利用することに決めるなど、目的と異なっていると言わざるを得ない行動を取ったり、FPから見て決してお勧めしたくない投資をしていたり、というケースもあります。

 恵まれた経済状況なのだから、相談して決めた方法で少し頑張ればすぐに結果が出るはずなのに、プライドなのか、自信なのか、思い込みなのかはわかりませんが、どうにも「それは違うのでは?」「もったいない」などと疑問や心配に感じるケースも多々あるのです。