子どもたちを、小学校から私立に入れたい!
高校卒業まで12年でいくらかかる?

「長男(5歳)と長女(3歳)を大学まである私立の小学校に入学させたいので、家計が問題ないか見てほしい」と相談に来られたYさんご夫婦。ご主人(43歳)は自営業、奥さん(41歳)は会社員の共働きです。毎月の手取り収入は夫が約65万円、妻は約40万円ある、いわゆるパワーカップルです。

 貯蓄は二人が結婚前に貯めた預貯金を合算して、3000万円。他の金融資産はありません。このくらい貯めていれば、あとは毎月の支出の中から何とかしていけるのではないかと考えているようです。

 文部科学省の「令和3年子どもの学習費調査」によると、小学校から高校まで私立校に通うと学校に納める金額が約1140万円※。塾や習い事に行くならさらにかかります。そして同省の「私立大学等の令和3年入学者に係る学生納付金調査結果について」を見ると、4年間の学費は470万円程度※※。データから「平均的な学費」を出すと、1600万円ほど※※※かかることになります。

図_表1学校種別の学習費総額私立と公立に通わせた場合の学習費 出典:文部科学省 拡大画像表示

上の表の学校教育費と給食費を学年分足すと、小学校(6年)で603万6912円、中学校(3年)は320万5731円、高校(3年)で225万1086円、合計1149万3729円。
※※文部科学省の私立大学についてのデータを参考に、私大の(授業料+施設設備費)×4年+入学金=469万0467円
※※※小学校から大学まで、上記の数字を足すと1618万4196円となり、約1600万円

 この金額を2人分ですから、約3200万円。今の家計から貯蓄を増やし、お金の置き場も変えて(預貯金から投資へ)いけば、預貯金もしっかりありますから、教育費の備えとご夫婦の老後資金の準備も、計画的にできるでしょう。少し変えればいいだけなので、希望通りに暮らしていけるだろうと思えました。

 しかし、Yさん夫婦は毎月の収入から貯金ができていませんでした。結婚してからの約6年間で、結婚前の3000万円から貯金が増えていないのです。このまま増えなければ、教育費だけで貯金は無くなり、むしろ不足するだろうという状況です。

 お子さんの私立小学校をあきらめるか、支出を削減して貯金を増やして備えていくかを考えなくてはなりませんが、「支出を減らせる部分がない」といいます。支出が他の家庭より多いということは自覚しているものの、自分たちがこだわって支払っているものばかりなので、小学校入学時には減らすよう考えたいが、今はまだ減らせない。小学校も私立で変更するつもりはない、と言います。