四十肩の激痛で苦しんだ筆者が、整形外科医に聞いたメカニズムと予防法気づいたら夜まで同じ姿勢……そんな人は要注意 (写真はイメージです) Photp:PIXTA

イテテテテテテテ!ある日、突然襲った肩の激痛。数時間経っても全く治まる気配はありません。病院に行って診てもらうと「四十肩」という診断が。寝ても覚めてもジンジンと痛みが続き、何かの拍子に肩をぶつけると新たな激痛が走る。集中力は低下し、仕事が手につかない……。経験者である筆者が、発症原因と予防法、そして手術で治す方法はあるのか、専門医に聞きました。(取材・文/日本文章表現協会代表理事 西田延弘)

子どもと久々のキャッチボール
その時、思わぬ悲劇に襲われる

 四十肩(五十肩とも)は、肩の腱板に炎症が起こる「腱板炎」や、上腕二頭筋の一部のスジに炎症が起こる「上腕二頭筋長頭腱炎」などの症状の俗称で、ざっくりまとめた病名としては「肩関節周囲炎」という名前がついています。その名前の通り、40代になると発症する人が増える症状です。

 40代で発症したら四十肩、50代なら五十肩というわけではありません。40〜50代でかかる人が多いのでこの俗称がついていて、60代でかかっても四十肩(五十肩)と呼ばれます。

 典型的な四十肩としては「癒着性肩関節包炎」が挙げられます。これは、関節包という肩関節を包む膜に炎症が起こり、最終的には癒着してぶ厚くなってしまう状態になる症状です。

 医療法人藍整会なか整形外科理事長の樋口直彦先生によると、「関節包に炎症が起こって癒着してしまうと、肩が上がらなくなったり少し動かしただけで激痛が走ったりします。癒着がはがれない限り、極端に狭くなった肩の可動範囲が広がることはありません」とのこと。かなり厄介な状態です。

 実は筆者も、四十肩を複数回繰り返した経験者。最初の発症は、まさに40歳になって間もなくの頃でした。子どもと久しぶりにキャッチボールをしていたところ、少し強めに力を入れてボールを投げた瞬間、激痛が走りました。