寝ても覚めても疼痛や鈍痛
肩はどこにもぶつけたくない!

「この場合は、癒着が生じて可動範囲が狭くなっていた肩関節が無理に動かされたことによって、痛みが生じたと考えられます。それまでは大きく肩を動かすことがなかったので、可動範囲が狭くなっていたことに気づかなかったのでしょうね」

四十肩の激痛で苦しんだ筆者が、整形外科医に聞いたメカニズムと予防法樋口直彦 医療法人藍整会なか整形外科理事長

 症状には個人差がありますが、四十肩の症状としては疼痛(じくじくと繰り返す痛み)や鈍痛があり、寝ても覚めてもその痛みは続きます。何かの拍子に肩をぶつけると、激痛が走ります。90度以上腕を上げられなくなったりもします。つまり「前へならえ」ができなくなるのです。

「深刻な肩の痛みと可動範囲が狭くなることによって、痛む側の手では物を持ち上げるのが難しくなります。日常生活では、例えば洗濯物が干しづらくなったり、背中に手が回せないので背中のファスナーの開閉ができなくなったりという不便が生じます」

 常時疼痛が続くわけですから、当然集中力も減退します。仕事に身が入らなくなり、その効率も低下します。一刻も早く治したいところですが、なかなか治らないのがこの症状の特徴。半年から1年、症状によってはそれ以上治癒に時間がかかる場合もあります。