習近平が国家主席就任後
初めてG20首脳会議を欠席
9月9~10日、インドのニューデリーでG20首脳会議が開かれた。共同宣言における、ロシアのウクライナ侵攻に関する表現が弱く、ウクライナが憤慨を示すなど悶着(もんちゃく)も起こった。他のどの国からの指図も受け入れず、独立自主を貫くことで自らの国益、影響力、存在感の最大化を図ろうとするインド外交を象徴するようなモディ首相の主催ぶりであった。
ただ、会議の開催を巡り、最も物議を醸したのは、中国の習近平国家主席が欠席したことであろう。2013年に国家主席に就任して以来、習近平がG20首脳会議を欠席するのは初めてのことである。イタリアで行われた2021年は、コロナ禍ということもあり現地には赴かなかったが、それでもビデオ画面上を通じて出席している。
その意味で、今回の欠席は「異例」と言えるし、3期目入りした習近平政権・外交に何が起こっているのか、という臆測を呼ぶには十分すぎる動向だったと筆者も考える。
8月末あたりから、「習近平G20欠席か」情報が流れ始め、9月4日、中国外交部の毛寧報道官が「インドで開催されるG20首脳会議に李強首相が出席する」と正式に発表した。
習近平の欠席が決まった瞬間だった。