親子関係の問題は、家庭という閉鎖的な空間で生じるものだからこそ、解決が難しいといえます。
外部の目には一見、理想的な家族に見えていても、実はその中にいる当事者にとっては地獄に等しい親子関係であるケースも多々あります。
自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が、同じ悩みを持つ人々へ苦しみから抜け出す糸口を綴った書籍『幸せになるには親を捨てるしかなかった』から、再構成して紹介します。
愛着障害は
乳児期に始まる
親があなたと心を通わそうとせず、しっかりと健全な絆を築いてこなかったのなら、あなたのほうも親に対する絆や愛着が育まれていない可能性が高いでしょう。
幼少期に親(本当の親に育てられなかった場合は主たる養育者)と、ごく普通の、健全なつながりを得られなかった人は、後々に機嫌や態度、人間関係などに問題が生じやすくなります。
心理学的に、いわゆる愛着障害と呼ばれるものです。
愛着障害は乳児期から始まり、成長するにつれて発展していきます。
乳児期は、本来健全な愛着を育てるための信頼感を育む時期ですから、愛着障害がこの時期に始まるのもうなずけます。
これから様々な愛着スタイルについて説明していくので、自分がどのスタイルに当てはまるかじっくり考えてみてください。
自分のタイプが判明すれば、今後大人として、健全な愛着を育む方法が見えてくるでしょう。
安定型の愛着スタイル
▼安定型
幸運にも子供と心を通わせようとする親に育てられたなら、しっかりと愛着を持って人生の最初のステージを切り抜けられたことになります。
安定した愛着スタイルを持てているのは、親から基本的欲求を叶えてもらったということです。
その結果、自立した行動ができ、何かあったら信用のおける誰かが助けてくれるという考えを持てるようになります。
ちなみに、たとえ片親に育てられたとしても、安定型の愛着スタイルを持つことはできます。
シングルマザーやシングルファザーの子でも、安定型に属する人は大勢います。
安定型の子供は、成長するにつれて自然と自信をつけていきます。
それは、障害にぶつかって極端に得たり、失ったりするものではありません。
もちろん、状況によって自信が高まったり弱まったりすることはありますが、基本的にはあらゆる状況や環境において一定の自信を持っています。
一方で、自己陶酔的な親のもとで育った人たちはそうはいきません。
他に、不安定な愛着スタイルもいくつかあります。主なタイプを見ていきましょう。