呉服店系百貨店は富裕層戦略で勝ち組
電鉄系百貨店から顧客奪取も
東京都心における電鉄系百貨店が縮小する一方、「伊勢丹新宿本店」の22年度の売上高が、バブル期を上回る過去最高(3276億円)を記録した。買い上げ金額上位5%の顧客の購買額が全体の5割を超え、外商の購買額が大幅に上昇したという。まさに富裕層ビジネスで成功し、百貨店では圧倒的な勝ち組だ。
こうした点においても、都心の電鉄系百貨店は、呉服店系百貨店に比べると限られた層への振り切った施策・アプローチが弱いといわれる。また、伊勢丹新宿は東急百貨店本店や小田急百貨店新宿店が握っていた顧客を取り込んでいるとみられ、百貨店業態全体としては縮小しつつも、“脱落組”から勝ち組が顧客を奪う状態がしばらく続くだろう。
翻って西武池袋本店は、数少ない勝ち組に残る実力があるはずだ。明治通り沿いの一等地を含む多くの売り場を、このタイミングで明け渡さなければいけないのは、とてももったいない。従業員の方々が、少しでも納得して働けることを祈るばかりだ。