新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキヤノン、ニコンなどの「カメラ/光学/複合機」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
富士フイルムが増収増益
ニコンは7割超の大幅減益
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のカメラ/光学/複合機業界4社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(4社の対象期間はいずれも23年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キヤノン
増収率:2.2%(四半期の売上高1兆209億円)
・ニコン
増収率:8.6%(四半期の売上収益1581億円)
・HOYA
増収率:1.2%(四半期の売上収益1823億円)
・富士フイルムホールディングス
増収率:5.6%(四半期の売上高6608億円)
カメラ/光学/複合機業界4社はいずれも前年同期比で増収となった。ただ、利益面を見ると、ニコンは7割超の大幅減益となった他、キヤノンとHOYAも減益となった。一方で富士フイルムホールディングスだけは増収増益だった。明暗が分かれたのはなぜか。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収の要因を解説する。