6000軒を片づけた家政婦が証言、「実家の片づけ」で失敗する人のNG言動Photo:PIXTA

実家の片づけにまつわる「親子の思い」は
たいていかみ合っていない

 最近耳にすることが増えた「実家の片づけ」の悩み。私は片づけのサポートを仕事にしていますが、ご高齢の方から私に直接依頼が来ることはまずありません。高齢者の住まいの片づけ相談は、子ども世代からの間接的な依頼がほとんどです。

 そして、こういった片づけは「お金を出してプロを頼ってでも、片づけを大きく進めたい子ども」と「暮らしに不用意に介入され、不信感いっぱいの親」の間に絶望的なギャップがあるケースが多く、非常に慎重な対応を求められます。

「実家の片づけ」が大変なのは、作業量のボリュームもさることながら、こうした感情的な摩擦があるからですよね。こういった摩擦を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。

 年齢を重ねた親がどんなに頼りなく見えたとしても、「親の住まいは親が主役」という大原則を忘れないこと、これに尽きます。私は『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』という本で、片づけの隠れた『めんどくさい』を見つけて、やっつけていく方法を提案しています。実家の片づけに当てはめると、親世代には「今の暮らしのめんどくささをやっつけること」に集中してもらい、子世代はそのサポートに回るという役割分担が重要です。

 今回は、親が住む実家を片づける際に、子の立場として気をつけたい「三つのNG言動」を解説します。