米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は20日、金利が以前の想定ほどには下がらないことを示唆し、市場を驚かせた。この微調整は見た目以上に重要かもしれない。一部当局者は見通しやコメントで、高金利は単に長引くだけでなく、恒久的に続く可能性を示唆している。より専門的な言い方をすれば、長期的にインフレ率と失業率を安定させる、いわゆる中立金利が上昇した。このことは、長期金利の影響を受ける投資家や企業、家計にとって大きな意味を持つ。長期国債の利回りがここ数カ月で大幅上昇し、株価が低迷しているのもこれで説明がつきそうだ。中立金利は文字通り恒久的というわけではなく、一般的な概念を表している。長いスパンで見ると中立金利とは、人口動態、世界的な資金需要、政府債務残高、インフレや成長リスクに対する投資家の見通しといった、変化が極めて緩慢な諸要因による作用だ。