【ロンドン】「英国を再び退屈に」。これは多くの票を集められる政治スローガンではない。  欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)や型破りの元首相ボリス・ジョンソン氏を巡る動きで目まぐるしかった英国の政治が、ほぼ10年ぶりに、注目よりあくびを誘うものとなっている。このことは世界6位の経済大国にとって良いことだ。  政治の混乱や金融危機でポンドが急落し、7年間で5人目の首相が誕生してから1年、リシ・スナク首相の下で再び平穏が戻った。企業の投資は上向き、EU離脱を巡る2016年の国民投票前の水準をようやく上回った。