ルパート・マードック氏は21日、数々の偉業を成し遂げ、大きな成功を収めた70年を経て、自身が率いてきたメディア企業2社の会長を辞任すると発表した。マードック氏ほど世界中で人々の生活に大きな影響を与えた起業家はあまりいない。それゆえわれわれはこの機会にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)で彼が果たした役割について述べたいと思う。マードック氏は2007年、約50億ドル(現在の為替レートで約7400億円)でWSJの親会社ダウ・ジョーンズを買収した。これについては法外な価格との批判があった。同社と発行物には歴史ある立派な名前があるが、デジタル革命が大打撃を与えていた。同社の純利益の大半は配当金の支払いに充てられ、デジタル革命や製品の増強に投資する資金は大して残っていなかった。