世界のエネルギー産業において、かつて日陰の存在だった地域が活況を呈しており、その範囲はコンゴ沖からアゼルバイジャンにまで広がる。欧州がロシアに代わる新たな天然ガス供給源を探していることが背景にあり、世界のエネルギー勢力図を急速に塗り替える動きとなっている。サハラ砂漠の奥深くにあるビルレバアでは、イタリアの石油・ガス大手ENI(エニ)とアルジェリアの国営エネルギー会社が数十本の井戸を掘削し、未開発だったガス田から数カ月で生産にこぎ着けている。地中海の底に敷設された3本のパイプラインは、アルジェリアの膨大な埋蔵ガスと欧州を結んでいる。過去10年間の大半は、ロシアの国営エネルギー会社ガスプロムが価格を低く抑え、アルジェリアのような供給国を欧州市場から締め出してきた。
世界エネルギー戦争の意外な勝者
米欧が異例の連携を通じて、ロシアに代わる天然ガス供給源の確保に取り組んでいる
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