米連邦準備制度理事会(FRB)は、これまでに一度も達成していないことを望んでいる。経済の最もソフトなソフトランディング(軟着陸)と、史上最も遅いペースの利下げサイクルだ。FRBは20日に公表した政策・経済見通しで、成長が加速して失業率が低下するとの予測を示し、経済にほぼダメージを与えずにインフレを克服しようという野心をのぞかせた。利下げが従来予想ほど進まないとの見通しに投資家が注目したことで、債券利回りが上昇し、大型テック株が打撃を受けた。それでも市場はFRBの予測を額面通りに受け取った。失業率がほぼ上昇しないにもかかわらずインフレ率は低下し、利下げは来年、投資家の期待より遅いペースとなり、その後も3年継続する、というものだ。