バイデン米政権はイーロン・マスク氏を目の敵にしているのだろうか。われわれは電気自動車(EV)大手テスラや宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏と経営方針を巡り意見を戦わせることがあったが、同氏の一連の事業に対する政府による調査の件数は、バイデン政権が同氏を規制による嫌がらせの標的にしているのではないかと思わせるほど多い。かつてEVの推進で左派の英雄となったマスク氏は、後にXと改名するツイッターを買収して以降、ある種ののけ者となった。同氏は、Xを過去に利用を禁じられた人たちにも開放し、ジョー・バイデン大統領を批判し、2024年の大統領選では共和党に投票するとさえ語った。そして突然、数々の法的な動きが押し寄せている。先週の報道によれば、ニューヨーク州南部地区連邦地検は、テスラがマスク氏に提供した可能性のある個人的な利益のほか、同氏が経営する企業間の取引を調査しているという。法律によれば、企業は年1万ドル(約148万円)を超える役員手当については開示しなければならない。