ただ、短い時間で内容を把握するためには、かなり集中して観なければいけませんから、どうしても交感神経が優位になって、緊張状態になります。○分以内に試験問題を解け、というのと同じことです。これが続くと自律神経のバランスが大きく崩れてしまいます。

 そうしたストレスを軽減する方法として、最近では、一定期間パソコンやスマホなどのデジタルデバイスにいっさい触れない「デジタルデトックス」が提唱されています。でも、ふだんから肌身離さず持っているスマホをいっさい見ないというのは、それはそれで不安になって、また別のストレスを生んでしまいますから、私はあまりおすすめしていません。

 ただし、寝る前だけはネットもスマホも見ないようにしています。寝る前に見ると、交感神経が上がって睡眠を妨げてしまいますから、このときばかりは余計な情報は入れないほうがいいと思います。

 モノも情報もあふれている現代は、いってみれば、「世の中が交感神経優位」の状況になっているといえます。

 自律神経を乱したくなければ、いっそ無人島に行ってしまえば、最新情報も有り余るモノも無用の長物ですから、迷うことがありません。でも、たいていの人はそんなことはできません。自分が生きている環境を変えられませんから、時代に合った生き方を考えなくてはいけないのです。

 そのためには、自分に有効なモノや情報だけを早めに取捨選択して、ストレスの要因となる「迷い」を少しでも減らして生活していくことが大切です。