和牛ふるさと納税に関するウェブサイトでは、返礼品ランキングトップ10に必ず1~2品目がランクインするほど和牛は人気(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ふるさと納税の還元率低下をもたらす経費の上限を「寄付額の5割以下」とし、以前よりも厳格になるという点で“改悪”されるのを目前に、申し込みが佳境です。返礼品で人気の和牛は、多数の申し込みが見込まれています。他方、和牛に関しては、中国へ精液・受精卵の流出事件が起きたり、商品戦略の変更を迫られたりするなど、大きな転換期にあります。フリージャーナリスト竹谷栄哉さんによる2021年12月24日初出記事の一部を再編集して紹介します。(ダイヤモンド編集部)

ふるさと納税で人気の和牛
輸出に関する「公然の秘密」とは...

 ふるさと納税に関するウェブサイトでは、返礼品ランキングトップ10に必ず1~2品目がランクインするほど和牛は人気だ。すき焼き、しゃぶしゃぶ用の霜降り肉の切り落としをメーンに、ハンバーグなど調理品も目立つ。

 コロナ禍において和牛消費は、それ以前に頼りにしていたインバウンド需要が蒸発し、緊急事態宣言による外食制限もあったため低迷するも、政府の支援策や巣ごもり消費の増加、ふるさと納税返礼品での需要増などがそれをカバーした。特にふるさと納税は、畜産業者からすると、税金で和牛を買い取ってくれるため、経営安定化につながる。消費者にとっては実質2000円で高級和牛が手に入る上、該当自治体を応援したい感情も寄付を後押しした。

 財務省が発表した貿易統計によると、2021年の農林水産物・食品の輸出額が、政府目標の1兆円を超えることが確実となった。日本の牛肉輸出は和牛が大部分を占めており、21年1~10月時点ですでに、20年の年間輸出額を約4割も上回る417億円を計上している。