「ふるさと納税」10月から返礼品がショボくなる?駆け込み寄付の注意点を専門家が解説写真はイメージです Photo:PIXTA

2022年度は「ふるさと納税」の寄付総額が9654億円に達し、過去最高額を記録した。寄付者が年々増えているなか、2023年10月から「ふるさと納税」に関するルールが一部改定される。今回のルール変更は、寄付する側にどのような影響があるのだろうか。(清談社 真島加代)

過去最高額を記録した
「ふるさと納税」の寄付総額

 2008年にスタートした「ふるさと納税制度」。総務省は「令和5年度課税における住民税控除額の実績等」のなかで、約891万人が、ふるさと納税による税額控除を受けたと発表。年々その人気は高まっている。

「ふるさと納税は寄付金控除の一種で、自分で選んだ自治体に寄付をすると、自己負担額2000円を超えた分の住民税と所得税が控除される制度です。寄付をした自治体から“返礼品”が受け取れるのも特徴ですね」

 そう解説するのは、内山FP総合事務所で代表取締役を務めるファイナンシャルプランナーの内山貴博氏。自治体が提供する返礼品は、肉や魚介類などの食べ物や、その土地の民芸品など多岐にわたる。そのため、返礼品を基準に寄付先を決める、という人も多いだろう。

 そんなふるさと納税のルールが、今年10月より一部変更される。変更点のひとつは、自治体が使うふるさと納税の仲介サイトの手数料や返礼品の調達費などの経費を寄付総額の5割以下にする「5割ルールの厳格化」だ。

「元々、経費は5割以下にするというルールは存在していました。しかし、調達費などの経費だけでなく、2015年からスタートした『ワンストップ特例制度(*)』による書類の郵送費も加わり、経費が5割を超えるケースが増えているようです。経費がかさみ、寄付金が自治体にほとんど残らないという状況が、今回のルール厳格化につながったと考えられます」

(*)…寄付者が確定申告を行わなくても、寄付金控除が受けられる制度