米テック大手の中の大手がついに政府のターゲットになった。確かに米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムは巨大なターゲットかもしれない。だが、一筋縄ではいかないだろう。米連邦取引委員会(FTC)は26日、アマゾンは「オンライン小売り経済の大部分に対して支配力を持つ」独占企業だとして、17州とともに同社を提訴した。アマゾンの巨大な顧客基盤を必要とする出店者を囲い込み、手数料引き上げや一方的な規約変更を押し付けているという。一方で、商品の値上がりや検索の質低下で消費者の便益は「悪化」しており、検索の質低下はアマゾンが自社サイトで広告販売を拡大しているためだと断じた。アマゾンはこれに反論し、投資家はさほど不安視していない。提訴自体にサプライズはほぼなかった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2月、FTCが提訴の準備をしていると報じていた。実際、長年アマゾンを批判してきたリナ・カーン氏が2021年にFTC委員長に就任して以来、多くが提訴を予想していた。アマゾンはそれ以降多くの時間を費やし、同社への敵意を公言するカーン氏は同社に関する調査に関与すべきではないと主張してきた。