ブローカーを組織?件数稼ぎに血眼になる中国人も

 PCR検査無料化事業の参入には、中国人の姿も見え隠れした。

 2022年、都内在住のDさんの元に、ある日突然“中国人の友人E”から「唾液を採って郵送してほしい」という連絡が入った。“友人E”は次のようにDさんを説得した。

「検査キットを自宅に送るから、それに唾液を入れて投函してよ。面倒だったらやらなくてもいい。名前だけ書いてやったことにすればそれでいいから。1件につき3000円よ、悪い仕事じゃないでしょ?」

“友人E”がやろうとしたのは、Dさんを“唾液集め”の仕事に引っ張り込むことだった。もちろんDさんは断った。

「“友人E”はいろんな知り合いに声をかけて唾液をかき集めているようでした。“友人E”がやっているのは明らかにブローカー的な行為ですが、私にもそれをさせようというのです。協力者には3000円、“友人E”には1000円が入る仕組みで、まるでネットワークビジネスのような組織をほうふつとさせました」

 もちろん、中国人だけがこうした“悪事”を働いていたわけではない。8月31日の東京新聞は「コンサルタントに誘われ、1人当たり報酬1500円で集めていた」と告白する日本人男性を取材している。(『コロナ無料検査 仕組み上は「利益1件約5000円」「集められるだけ集めて」と持ちかけられた男性は…』東京新聞)