サウジアラビアとロシアは原油生産を削減したにもかかわらず、減産を受けた価格高騰により、ここ数カ月で数十億ドルの追加収入を得ている。減産は財政的にも政治的にもリスクの高い戦略だった。だが石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国でつくる「OPECプラス」の最も重要な構成国であるこの2カ国は、成果を上げているようだ。コンサルティング会社エナジー・アスペクツの計算によると、価格上昇による増収は販売量の減少によるマイナスを補って余りある。こうした石油収入増のおかげで、サウジはムハンマド・ビン・サルマン皇太子の下、国内の巨額プロジェクトに資金を充てるとともに、国外への投資で影響力を拡大し続けている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は増収により、ウクライナでの戦争を継続できている。
サウジとロシア、原油減産で大もうけ
両国が高リスク戦略に踏み切った後、北海ブレント原油は1バレル=100ドルをうかがう
有料会員限定
あなたにおすすめ