中国で何年も販売不振に陥っていた米自動車大手フォード・モーターに、電動化の波に乗って苦境を脱するチャンスが訪れた。同車は米電気自動車(EV)大手テスラに倣い、販売代理店を通さず消費者に車両を直接販売する方式を2020年ごろに導入した。さらに、疾走する馬をかたどった象徴的なエンブレムを冠した電動SUV(スポーツタイプ多目的車)「マスタング・マッハE」を発売した。同社の幹部らはこれがテスラのEVの強力な対抗馬になるとみていた。それから3年後、フォードは世界最大の自動車市場である中国でいまだに「負け組」から抜け出せず、中国戦略を再び見直す必要に迫られている。同社は8月、直販事業から撤退した。マッハEの売れ行きは芳しくなく、今年に入ってからの月間販売台数は数百台にとどまり、テスラや多くの地場メーカーの数万台には遠く及ばない。
フォードのEV、中国で「テスラ流」通じず
フォードはマーケティング・販売の不手際により中国でのEV販売が苦戦していることを受け、中国事業の戦略を見直している
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