米国のインフレ率はこの1年で急低下し、経済も好調さを維持している。だが米国人は依然として経済に大いに不満を抱き、インフレを要因に挙げることが多い。そのことが引き続き、ジョー・バイデン大統領の支持率と再選の見込みに影を落としている。一体どうしたのか。これには大きな理由がある。エコノミストや連邦準備制度理事会(FRB)が注視するのは物価全体の変動率を示すインフレ率であるのに対し、米国人が日常生活で関心を払うのは大抵、自分たちが必要だったりほしかったりする物の絶対的な価格だ。その点に関しては、多くの品目の価格が、今年は昨年より上昇が緩やかだとはいえ、新型コロナウイルス流行の直前や発生直後の水準を大きく上回っており、元に戻る公算は小さいとみられる。
インフレ鈍化、それでも怒る米消費者
コロナ前より高い価格に不満、バイデン氏の逆風に
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