米国の資産運用会社は、債券利回りが10年超ぶりの高水準にある今、大手のブラックロックが債券市場における「一世代に一度のチャンス」と呼ぶものを当てにしている。各社の考え方はこうだ。年金基金から引退のために貯金を積み立てる生活者まで、あらゆる投資家が長めの満期の債券を買って金利を相対的に高い水準で固定しようとするはずで、それが債券ファンドへの資金流入に拍車をかける、というものである。例えばブラックロックは、自社の債券上場投資信託(ETF)の運用資産が2030年には現在の3倍となる2兆5000億ドルに到達すると予測している。ただ一つ問題がある。こうした資金流入はまだ実現していないのだ。債券市場で損失が出続けている状況に萎縮した投資家は、金利がピークに達したと確信できるまで債券投資をためらっているようだ。
FRBの利上げ終了はいつ? 債券投資家に超難問
米資産運用会社は債券ファンドへの資金流入に賭けているが、まだ実現していない
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