ロシア軍はウクライナ鉄鋼最大手メトインベストが製造した戦場装備品の約半分を破壊した。同社の幹部は、ロシア軍がもっと多くの自社製品を標的にしてほしいと望んでいる。ウクライナ中部にある工場では、従業員たちがりゅう弾砲やレーダー基地、迫撃砲の部品をせっせと作っている。すべて偽物だ。メトインベストは高品質の複製品を大量生産している。こうした複製品はデコイ(おとり)の役目をし、ロシアの砲撃を引き付ける。硬質の発泡プラスチックや配管、廃棄された機器から作られた偽の装備品を攻撃するためにロシアのミサイルや砲弾、ドローンが使われれば、その分だけ本物の装備や軍を標的にする武器が減るという論理だ。ある従業員は「われわれが前線の特定地域にこれらのデコイを置くと、敵の注意を引く」と語った。