ケビン・マッカーシー米下院議長を解任するための投票には1時間ほどしかかからなかった。しかし、これは13年にわたって起きてきた保守派の議員と有権者の中の抵抗勢力による行動の最新例にすぎない。こうした動きは過去3人の共和党員を下院議長に昇進させ、その後に切り捨てた。2010年の草の根保守運動、ティーパーティー(茶会)の反乱により、共和党が下院で多数派となり、マッカーシー氏は権力への道を歩むことになったが、この反乱は金融危機を受けた政府による救済策や当時のバラク・オバマ大統領の医療保険制度改革への有権者の怒りに支えられていた。しかしそれは、その後にドナルド・トランプ大統領を誕生させた、政治規範を捨て去りたいというポピュリスト(大衆迎合主義者)の衝動や意欲を早い段階で暗示するものでもあった。