米国の消費者はそろそろ支出を減らしてもよいはずだ。金利は上昇している。インフレ率は高いままだ。新型コロナウイルス流行時の貯蓄は減っている。しかも労働市場は減速気味だ。それでも、米国の経済成長の主な原動力である家計支出は堅調を維持している。8月の個人消費支出は前年同月比5.8%増となり、伸びがインフレ率(4%未満)を大きく上回った。そしてこの夏は「コト消費」が盛況だった。デルタ航空は4-6月期(第2四半期)の売上高が過去最高を記録し、チケット販売会社のチケットマスターは1-6月期(上半期)のイベントチケット販売枚数が2億9500万枚を超え、前年同期比で約18%増となった。エコノミストや財務アドバイザーによれば、消費者が長期的なニーズ・目標よりも短期的な事柄を優先するのは普通のことだ。ただし、今の状況は特異だという。
米国人の「今を楽しむ」消費、衰える気配なし
コンサートや旅行・ブランド物などへの支出、万一に備えた貯蓄より優先
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