おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。
病気やケガで働けなくなっても、家賃や生活費はかかり続ける
独身者が特に備えておきたいのが「働けなくなるリスク」。
病気やケガで長期間「働けなくなる」と収入やその後のキャリアに影響が出ます。
家族がいれば、家族の収入をあてにできますが、独身者はそれが難しい。収入が途絶えて、医療費の負担は増えても、かかる生活費は変わりません。入院して自宅に住んでいない間も、住宅ローンの支払いは続くし、家賃の支払いもしなければいけない。
貯蓄がどんどん減っていくのを見ているのは、精神衛生上もよくありません。そんな状態に備えるのが「就業不能保険」です。
就業不能保険とは、病気やケガ、高度障害などで働けなくなった場合に支払われる保険。待期期間(働けなくなってから保険をもらえるまでの期間)を超えると、働けない状態が続く限り保険期間中は保険金が毎月支払われます。
「就業不能保険」は特に自営業者の方におすすめです。
会社員の場合は、会社に籍を置いていれば、働けなくなった場合でも一定の補償を受けられます。業務上のケガや病気であれば、労災保険で給料の約80%、業務外の場合は傷病手当で給料の約3分の2が、ともに1年6か月支給されます。また、福利厚生の一環として「就業不能保険」等に加入している会社もあるようです。会社員の方は会社の制度を確認し、足りない分を保険で補うといいでしょう。
加入時に気を付けたいのは、働けなくなる原因を特定しているかどうか。特にうつ病などは働けなくなる原因の1位といわれており、療養期間も長期にわたるので、メンタル保障がついているものを選ぶといいでしょう。
ちなみに、住宅ローンを組んでいる人は団体信用生命保険に就業不能保障がついている場合もありますので、確認しておきましょう。
*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。