おなか周りに脂肪が付く「内臓脂肪型肥満」
内臓脂肪の増加要因は?

 Kさんは、おなか周りを痩せさせたいがなかなかうまくいかないというお悩みをお持ちです。おなか周りに脂肪が付くタイプは「内臓脂肪型肥満」と言われています。

 内臓脂肪とは、内臓の周辺についている脂肪のことを指します。日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm、女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の三つのうち二つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。体重ではなく腹囲で判定しているのは、腹囲を測ることで内臓脂肪の量を予測できるといわれているからです。内臓脂肪型肥満は心筋梗塞などの原因となる動脈硬化を進行させる要因になると考えられているため、腹囲を指標としています。

 内臓脂肪は、加齢とともに付きやすくなります。特に女性は閉経後、女性ホルモンの関係から、内臓脂肪が付くスピードが上がるといわれています。男性の場合は、基礎代謝が加齢とともに減ることと、活動量が減り筋肉量が減るため、脂肪が蓄積されやすくなります。

 おなか周りや体重を減らそうと食事制限を中心とした過度なダイエットをすると筋肉が落ち、基礎代謝が低下するため、逆に太りやすい体質となってしまうこともあるので注意が必要です。適切なアプローチで内臓脂肪を減らすことが大切です。

内臓脂肪を減らす食べ方
Step1:糖質の質を見直す

 内臓脂肪を減らすには、まず糖質の質を見直すことから始めましょう。糖質と言うと、ご飯やパン、麺類など主食を思い浮かべる方も多いかと思いますが、まず見直すべきは、主食以外の糖質です。甘いお菓子やチョコレート、スナック菓子、甘い飲み物やビール、酎ハイなど、食事以外の嗜好(しこう)品には多くの糖質が含まれています。

 Kさんの場合、1日の食事のうち75%くらいチョコレートやビール、ワインなどの嗜好品で糖質を取っています。例えば、カレーライスの糖質は80gほどですが、カレーライスには、糖質以外にもタンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維など他の栄養素も含まれています。しかし、チョコレートやビールなどは、糖質以外の栄養素がほとんど含まれていないため、食べると血糖値も上がりやすく、脂肪として蓄積されてしまうのです。

 Kさんは、まず間食の内容やお酒の質を見直すとよいでしょう。最近では、低糖質のチョコレートやお菓子も販売されているので、そのような商品を選びましょう。また、ゼリーやヨーグルト、チーズは糖質が低く食べ応えもあり、満足感が得られます。また、オレンジやグレープフルーツなどのかんきつ系の果物は、糖質が低めでビタミン、ミネラルや食物繊維も同時に摂取できるのでおすすめの間食です。