トップセールスは「天気の話」から入らない
営業マンがお客さまとの雑談でよく使いがちなのが「天気の話」です。営業本などにも、天気の話から始めましょうと書いてあります。ところが、トップセールスの人ほど天気の話はしないというのをご存じでしょうか。今回はそんな雑談に関する話です。
天気の話って本当に使えるの?
私が営業を始めて間もなくのこと。お客さまのところへ初めて一人で行くことになりました。もちろん緊張でガチガチです。そしてやはりうまくいきませんでした。何よりも、最初にどんなセリフから切り出せばいいのかがわからなかったのです。
そこで上司に相談したところ、「天気の話をすればいい」と教わりました。
さっそく使ってみました。
私「あの、今日はいい天気ですね......」
お客さま「そうだね」
私「……」
お客さま「……」
なぜだかまったくダメでした。会話がつながらないのです。別のお客さまのところでもやってみたのですが、やはりうまくいきません。天気の話ってそんなに使えるのかなぁと、当時は疑問に思っていました。
この疑問をそのときのトップセールスだった先輩にぶつけてみたところ、意外な答えが返ってきました。
「俺は天気の話は使わないよ」
「え?」
先日の上司とは真逆の答えに私はびっくりしました。
でもその理由を聞いて大いに納得しました。
話題の良し悪しは相手の関心度で決まる
天気の話というのは、誰でも簡単に使えるので話しやすい話題です。私のように話ベタな人間でもすぐに切り出すことはできるので、つい使ってしまいがちです。
しかし、雑談というのは、一人で話すものではありません。お互いに会話にならないと意味がないのです。そう考えると、「今日はいい天気ですね」などと最初は切り出せますが、そのあとの会話に発展しにくいのがこの話題の特徴でもあるのです。
もちろん天気の話が絶対にダメだとは言いません。うまく会話をつなげることができるなら、立派な雑談のネタになるでしょう。でもそのためには、それなりの会話のスキルも必要になってきます。会話が苦手な私がうまくいかないわけでした。