1月、米領バージン諸島セントトーマス島の空港の出発ロビーにあるトイレの個室で、新米の職員がテープを巻かれたコカインの塊二つを手に、合図を待っていた。足踏み、そしてノック。職員は仕切りの下に手を伸ばし、合計5ポンド(約2.3キログラム)近くある包みを隣の個室に差し出した。共犯者は包みを赤いリュックサックに入れ、スピリット航空のフロリダ州オーランド行きの便に乗ろうとしていた。共犯者が搭乗する前に2人は逮捕された。裁判資料によると、マサチューセッツ州ハイアニスを拠点とするケープ・エアーに入社して1年たたないこの職員は、コカインを出発ロビーに運ぶ報酬として2000ドル(約29万8000円)を受け取ることになっていた。