来年になれば原油供給がいくらか上向き、それに伴いインフレ圧力も緩和するとの期待感は、7日にイスラエルが攻撃を受けたことで消えつつある。国際指標の北海ブレント原油先物は9日、中東で起きた新たな戦争が世界の原油供給に及ぼし得る影響が意識され、前営業日比約4%高の1バレル=88ドルまで上昇した。イスラエルとパレスチナは主要産油地域ではないため、供給が直ちに影響を受けることはない。ただ、ハマスによる7日のイスラエル攻撃をイラン革命防衛隊(IRGC)が支援していたとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。もしイラン政府の関与が米政府によって確認されれば、バイデン米政権はイラン産原油に対する強硬姿勢を強めるだろう。