イスラエルにとって前例のない人質危機は9日、一段と深刻化した。パレスチナのイスラム組織ハマスは同日、イスラエルがガザ地区への爆撃の手を緩めなければ人質の「処刑」を始めると脅しをかけた。ハマスの軍事部門カッサム旅団のアブ・オバイダ報道官はアラブ系衛星ニュースチャンネルで放送された声明で、「今後、事前の警告なしに民間人の住宅が標的にされれば、残念ながらその度に、われわれが拘束している敵の民間人人質のうち1人が処刑される。われわれはそれを放送せざるを得ないだろう」と述べた。この発表は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる政権が直面する耐え難いほどのジレンマを強く印象付けた。政権は、先週末に攻撃を仕掛けたハマスに対する報復として3日間続けてきたガザへの攻撃を、一段と強化するかどうかを検討している。先週末の攻撃はイスラエル側に死者800人超、負傷者2400人超を出した。
ハマス「人質処刑」警告、イスラエルにジレンマ
人質100人超、報復作戦の判断難しく
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