最近の株価下落を心配している投資家は、これからの決算シーズンが前向きな材料をもたらしてくれることに期待をかけている。2023年は企業収益の低迷にもかかわらず、米国株が高騰する期間が長かった。しかし国債売りが加速し、長期金利が約10年ぶりの高水準に近づく中、株式への投資意欲が減退している。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を長期間高水準に維持するとの見方が強まっていることも、投資家の不安に拍車をかけている。米S&P500指数は7月末から6.1%下落し、年初来の上昇率は12%に縮小した。ダウ工業株30種平均は足元の売りで、今年の上昇分の大半を失っている。ファクトセットによると、S&P500構成銘柄の7-9月期決算は前年同期比0.3%の減益が予想されている。この通りであれば、減益幅は過去4四半期で最小となる。業績は市場予想を上回ることが多いため、7-9月期は1年ぶりの増益になると考える投資家もいる。