女性指揮者の西本智実と
2人の芥川賞作家

徳洲会の徳田虎雄氏徳洲会の徳田虎雄氏 Photo by Masato Kato

 大阪市浪速区の繁華街のど真ん中にあるのが、大阪府立今宮高校だ。東側700メートルには、観光名所の通天閣がある。お世辞にも文教地帯とは言えないが、この高校には前身の旧制今宮中時代から続く熱量があふれているようだ。

 メデイアによく登場する女性指揮者がいる。「男装の麗人」と称される西本智実(1970年生まれ)だ。その聡明な美しさと観客を魅了してやまない指揮者としての実力は、国内外で高く評価されている。

 西本は今宮高校から大阪音楽大作曲学科に進み、卒業後にロシア国立サンクトペテルブルク音楽院オペラ・シンフォニー指揮科へ留学した。98年に京都市交響楽団を指揮してデビューし、以降、日本のみならずロシア、チェコ、ドイツ、ブラジル、中国など約30カ国の交響楽団で指揮を執っている。

 クラシック音楽での女性指揮者は少ない。西本は2019年にはドイツの公共放送で、世界各国で活躍する女性リーダーの一人として紹介された。全身を使ってのエネルギッシュな指揮は、観客の耳と目に鮮烈にアピールする。

 さらに今宮卒業生では、飯田信夫が映画音楽の作曲家、野毛洋子がジャズシンガー、SHINGO★西成がヒップホップMCだ。

 文芸でも、気を吐いている。芥川賞の受賞者を、2人出しているのだ。