半世紀前からイスラエルを支持してきたジョー・バイデン米大統領が、外交政策の難題に直面している。米国を中東地域の危険な衝突に巻き込むことなく、同地域で最も近い関係にある友好国への支援を迫られている。米政府当局者らはイスラエルでの戦闘を巡り、イスラム組織ハマスが連れ去った100人以上の人質への対応を検討しつつも、レバノンのシーア派組織ヒズボラなどが北部で戦線を築かないよう対処することが求められている。バイデン氏は2021年にアフガニスタンからの米軍撤退を決定。また中東などその他の地域でも米軍のプレゼンスを縮小させる判断を下した。これは「永遠の戦争」から脱却し、外交や特に中国との競争に軸足を移す新たな時代の到来を示すものでもあった。