まだ倒れていない中国の民間不動産開発最大手も、間もなくひざまずくことになりそうだ。それだけで中国の債務危機に発展することはないだろう。しかし、住宅市場の底入れを狙う政府の一貫しない取り組みをむしばむ可能性があるのは確かだ。不動産業界の急降下によって銀行のバランスシートにダメージが蓄積すれば、経済の他の部門の安定化も困難になる恐れがある。昨年の成約額が中国1位だった碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)は10日、4億7000万香港ドル(約89億6000万円)の融資を返済できなかったことを受け、ドル建てその他の海外債務を期限内にすべて返済できない見込みだと明らかにした。同社は数カ月前から流動性の問題を指摘していたが、9月には期限を過ぎたドル建て債務の返済を30日間の猶予期間内になんとか完了していた。